FreeBSD(98) 3.4R-Rev01 --- リリースノート

                                        日付: 平成12年(2000年)01月19日 (水)


FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE は、IBM-AT 互換機 PC 用の FreeBSD 3.4-RELEASE を
NEC PC-9801/PC-9821 やその互換機に移植したものです。

FreeBSD(98) 移植チームでは、できる限りオリジナルに近いものにすることを基本
コンセプトにして移植を行なってきました。しかし、IBM-AT 互換機 PC と PC98
では、ハードウェアの仕様が根本的に異なっている部分があり、部分的にオリジナ
ルと異なっている箇所があります。

FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE は、FreeBSD 3.4-RELEASE の配布パッケージ + 98 用
ファイル群という構成になっています。98 用ファイル群には、実行ファイルのほ
か FreeBSD(98) で変更したソースファイルや、98 用のドキュメントが含まれてい
ます。98 用のドキュメントは FreeBSD(98) 固有の事項の解説が中心になっている
ので、IBM-AT 互換機 PC 用のドキュメントも必要に応じて参照してください。

従来、FreeBSD(98) のリリースは FreeBSD(98) 2.2.XR-ALPHA, 2.2.XR-BETA,
2.2.XR-RELEASE と版数をふってきましたが、ALPHA, BETA などが厳密な意味を持
たなくなって来た事から、2.2.5R より ALPHA, BATA の版数は取り止め、Rev01,
Rev02 と版数をふるように改めました。

サポートするハードウェアに関しては Hardwa98.txt を御覧ください。「メーリン
グリスト」「バグレポート、提案、コードの提供」「動作報告」「移植チームへの
連絡先」に関しては About98.txt を御覧ください。

1. 3.3R-Rev01 からの 98 版での変更点
--------------------------------------

・ベースが 3.4-RELEASE になりました。

・3.3R-Rev01 の Errata.98 01 版までで判明しているバグが修正済です。
  COMPAT_ATDISK を有効にしてその機能を使用しようすると、panic する問題。

・3.0R, 3.1R から生じていた、SCSI 接続の CD-ROM 装置や MO 装置が認識されな
  いという問題が解決しました。

・NEC PC-9801-100, Adaptec AHA-1030P のサポートが復活しました (aic ドライ
  バ)。ただしテストは十分とはいえず、2.2.x での完成度には達していない可能
  性があります。

・sysinstall で「 PC98 用 XFree86 セットアップユーティリティ」でインストー
  ルできない問題を修正しました。

・bs ドライバの割り込み区分が bio のままだったので cam に修正しました。
  古い kernel conf ファイルを流用する場合には注意してください。
  controller bs0 at isa? port "IO_SCSI" cam irq 5 drq 3
                                       ^^^^^
・Accton EN1646(旧モデル), NEC PC-9801-77, SIU-98-Dを追加サポートしました
  (edドライバ)。
  これに伴い Networld EC/EP-98X の flags が変更されていますので注意してく
  ださい。
  flags 0x600000: SIC-98 (ed5 default)
        0x610000: SIU-98-D
        0x700000: LA/T-98 (ed7 default)
        0x710000: PC-9801-77
        0xd00000: EN1646
        0xd10000: EC/EP-98X (ed10 default)
  なお PC-9801-77 はテストされていません。

・内蔵 COM1 の FIFO が使えるようになりました (FIFO 搭載の PC-9821 シリーズ
  のみ)。

・boot/loader で beep 音が出せるようになりました。

・mss ドライバでの IRQ 重複チェックが PC-98 では無効であることが判明したた
  め、チェック自体を止めました。これにより、IRQに重複がないにも係わらず
  [IRQ Conflict?] と表示されるということはなくなります。

・初期 X-MATE 等において起動時に "unknown ATAPI protocol=3" が表示される問
  題に暫定対処しました。

・Sound Blaster 16(98) が OSS/Free で再度サポートされました。ただし PCM 部
  分しか動作確認されていません。

・joy ドライバを PC-98 に移植しました。Sound Blaster(98) の joystick ポー
  トがが使えることが期待されます。

・98readme 配布ファイルのファイル名が変更されました。

・非公式パッチとして PicoBSD(98) 作成キットを付けました。
  (tools98/unoff.patch-3.4/picobsd98.tar.gz)

<既知の問題>
・PC-9801NS/A で ppc(lpt) ドライバを有効にしていると起動時にリセットがかか
  るという報告があります。

・IBM BlueLightning を使った CPU アクセラレータで FPU を切り放さないと
  panic するという報告があります。

・PC-9821Xa10 で ELECOM LD-PCI2TS の LAN ケーブルを接続した状態だと内蔵
  IDE HD を 認識しないことがあるという報告があります。

・内蔵 HD を取り外した PC-9801BX2 で内蔵 ATAPI CD-ROM を認識しないという報
  告があります。

<以下は機能が低下した項目です>
・CAM 化に伴い、SCSI 1 の装置については正しく認識されない場合があります。

・UFS MO, PDS からのインストールは od ドライバを組み込んでいませんので、サ
  ポートしていません。

・MO, PDS 用の od ドライバは非公式パッチとなっています。必要な場合は
  tools98 配布ディレクトリの unoff.patch-3.4/od-kernel.diff.gz をカーネル
  に当ててください。

  od ドライバが無くても da ドライバで読み書きできるはずになっていますが、
  うまく動作しない場合があります。

・インストール後の起動時に
  Waiting 15 seconds for SCSI devices to settle
  が表示されますが、30 秒ほど待たされます。

・インストールが 4M バイトのメモリでインストールできなくなりました。7.6M
  ではインストールできたとの報告があります。

<注意事項>
なお、次の点に注意して下さい。

・3.2R-Rev01 より新たにサポートされた FD フォーマットのうち、
  1.44/1.2/720/640/1.23 以外は、使用ドライブとの相性により、必ずしも使用で
  きるとは限りません。

・3.2R-Rev01 以降と、それ以前のバージョンとでは FD のデバイスファイル名と
  minor 番号の対応が変わるため、インストーラでのクリーンインストール以外の
  方法 (make world でのバージョンアップ等) の場合、fd デバイスについて必ず
  3.4R 用の MAKEDEV をファイルを取り出した後、デバイスファイル名を再作成し
  て下さい。
  例) # cd /dev; ./MAKEDEV fd0 fd1

  問題となるのは、3.1R 以前のシステムで 1) ソースから FreeBSD(98) 3.4R を
  (make world で)バージョンアップする場合と、2) 1.44MB フロッピーディスク
  を使った「アップグレード」モードでインストールする場合です。この場合
  1.2MB(2HC) FD を使えば問題ありません。

  または次のシェル手続きを /dev/ で実行してからフロッピーディスクを使った
  インストールを行えばだいじょうぶです。

  #!/bin/sh
  mknod() {
      rm -f "$1" || exit 1
      /sbin/mknod "$@" || die 2 "/sbin/mknod $@ failed"
      chown root.wheel "$1" || exit 1
  }
  name=fd; blk=2; chr=9
  for unit in 0 1
  do
      mknod ${name}${unit}.1440  b $blk `expr $unit '*' 64 + 3`
      mknod r${name}${unit}.1440 c $chr `expr $unit '*' 64 + 3`
      mknod ${name}${unit}.1232  b $blk `expr $unit '*' 64 + 10`
      mknod r${name}${unit}.1232 c $chr `expr $unit '*' 64 + 10`
  done

  参考までに、MAKEDEV 後のデバイスファイル名および minor 番号の対応は以下
  のようになります。

minor  devname   secsiz  sec/trk track   size  FDD    aka
    0  fd?       (fd?.1200と同じ)
    1  fd?.1720     512       21   164  1722K  3mode  DMF
    2  fd?.1480     512       18   164  1476K  3mode
    3  fd?.1440     512       18   160  1440K  3mode  2HD 1.44
    4  fd?.1200     512       15   160  1200K  2mode  2HC
    5  fd?.820      512       10   164   820K  2mode
    6  fd?.800      512       10   160   800K  2mode
    7  fd?.720      512        9   160   720K  2mode  2DD
    8  fd?.360      512        9    80   360K  2mode
    9  fd?.640      512        8   160   640K  2mode  2DD 640
   10  fd?.1232    1024        8   154  1232K  2mode  2HD 1.23
   11  fd?.1280    1024        8   160  1280K  2mode
   12  fd?.1476    1024        9   164  1476K  2mode  2HS 1.48

・SCSI HDD の場合、FreeBSD(98) 2.2.X からバージョンアップする場合は次のい
  ずれかの方法を行わなければ FreeBSD(98) を起動できません。
  (1) / (ルートファイルシステム) に newfs を実行する。方法は Instal98.txt
  を参照してください。(2) SCSI の使用しているデバイス名 [r]sd0s1a 等に対し
  て(同じメジャー、マイナー番号で) [r]da0s1a 等を作成するか ln [r]sd0s1a
  [r]da0s1a を行うことでバージョンアップできます。全てのスライスのロウデバ
  イス、ブロックデバイスに対して行ってください。
  newfs を行う場合は必要なファイルは前もってバックアップしておいてください。

・3.3R-Rev01 から jcatman 配布ファイルでインストールされるマニュアルのディ
  レクトリを変更しました。従来 /usr/share/man/cat[15678] だったのですが、
  /usr/share/man/ja/cat[15678] になりました。アップグレードモード時、古い
  ファイルが残ったままになりますので、必要なら消してください。

2. 再配布および使用の条件
-------------------------

FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE のうち、IBM-AT 互換機 PC 用の部分に関しては、オ
リジナルの条件にしたがって下さい。また、98 用ファイル群については、
        Copyright98.txt
というファイルに書いてあります。本ソフトウェアーを複製し、使用または配布す
る前に必ず読んでください。ただし、下記の 98 用ファイル群の中には、一部、
Copyright98.txt が適用されないものが含まれています。ソースコードは個々のフ
ァイルに条件が記載されています。ほとんどはバークレースタイルのライセンスが
適用され、ライセンス条項の範囲内で自由に使用し、再配布することが可能です。
Copyright98.txt の内容もバークレースタイルのライセンスに類似したものになっ
ています。また、一部には、GNU General Public License (GPL) や、GNU Library
Public License (GLPL) が適用されます。


3. 98 用ファイル群の構成
------------------------

98 用ファイル群は以下のファイルで構成されています。

<ドキュメント>(*)
    98readme/           ディレクトリ名
    このディレクトリのファイルは SJIS コードで作成されています。

    READ1ST.txt         始めに読んで下さい。まだ読んでいない方はすぐに読ん
                        で下さい。
    About98.txt         FreeBSD(98) について
    Copyright98.txt     著作権表示。使用、配布の前に必ず読んで下さい。
    Develp98.txt        FreeBSD(98) の開発について
    Errata98.txt        リリース後の障害情報
    Hardwa98.txt        サポートされているハードウェアに関する情報
    Instal98.txt        FreeBSD(98) をインストールする方法
    README98.txt        リリース案内
    REPORT98.txt        動作報告書
    Relnot98.txt        リリースノート(このドキュメント)
    System86.txt        動作が確認されたデバイス
    Thanks98.txt        FreeBSD(98) を開発/援助した人への謝辞
    Troubl98.txt        問題のあるハードウェア/ソフトウェアに関する情報

<フロッピーディスクイメージ>(*)
    floppy98/           ディレクトリ名
    kern.flp            標準インストール用ブートディスクのイメージファイル
    kernide2.flp        ATAPI CD-ROM がある機種で2台目以降の IDE ディスク
                        にインストールするためのブートディスクのイメージフ
                        ァイル
    kernide4.flp        2台目以降の IDE ディスクにインストールするための
                        ブートディスクのイメージファイル
    kernuide.flp        UIDE-98 を使用した機種の IDE ディスクにインストー
                        ルするためのブートディスクのイメージファイル
    mfsroot.flp         標準メモリファイルシステムルートイメージファイル
                        イル

<バイナリ差分>(*)
    98bin/98bin.??      98 用に変更したバイナリーファイル
    98bin/ide2.tgz      APATI CD-ROM がある機種で2台目以降の IDE ディスク
                        を認識するカーネルファイル
    98bin/ide4.tgz      2台目以降の IDE ディスクを認識するカーネルファイ
                        ル
    98bin/uide.tgz      UIDE-98 を使用した機種の IDE ディスクを認識するカ
                        ーネルファイル

<FreeBSD(98)ドキュメント>(*)
    98doc/98doc.??      FreeBSD(98)ドキュメント(内容は古い)

<カーネルソース差分>(*)
    98src/*             98 用カーネルソースおよび 98 用に書き換えた差分フ
                        ァイル

<インストール用の小物>(*)
    tools98/            このディレクトリには、インストール時にあると便利な
                        小物が入れてあります。フロッピーディスクイメージを
                        ディスクに書き込むための rawrite.exe もあります。

(*)が付けられたファイル中には、Copyright98.txt 以外の条件が適用されるファ
イルが含まれています。

ドキュメントは、98readme というディレクトリ内にあります。

その他のドキュメントは 98doc (インストール時に選択しないとインストールされ
ません) をインストール後に /usr/share/doc/handbook.98/handbook98.nippon と
して置かれます。lynx などのブラウザが使えるなら
/usr/share/doc/handbook.98/handbook98.html を指定すれば HTML 形式のものが
読めます。必要に応じて /usr/share/doc/handbook/handbook.{ascii,html} も御
覧下さい。

4. FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE の入手
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4.1. FTP
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FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE の 98 用ファイル群は日本国内の以下のサイトから
anonymous FTP で入手することが可能です。
        ftp://ftp.tokyonet.ad.jp/pub/FreeBSD-PC98/
        ftp://ftp.netlab.is.tsukuba.ac.jp/pub/OS/FreeBSD-PC98/
        ftp://ftp4.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/
        ftp://ftp.pc98.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/dists/
        ftp://ftp.itjit.ad.jp/pub/FreeBSD-PC98/
    (上記のサイトは、インストーラで指定すると、すべての配布ファイルの
     インストールが行なえるようになっています。)
        ftp://daemon.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD-PC98/
        ftp://ftp.ics.es.osaka-u.ac.jp/pub/mirrors/FreeBSD-PC98/

また、FreeBSD 3.4-RELEASE (IBM-AT 互換機 PC 用) は上記 FTP サイトのほか、
日本国内の以下のサイトから anonymous FTP で入手することが可能です。
        ftp://ftp.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
        ftp://ftp2.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
        ftp://ftp3.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
        ftp://ftp4.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
        ftp://ftp5.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
        ftp://ftp6.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
        ftp://ftp7.jp.freebsd.org/pub/FreeBSD/releases/i386/3.4-RELEASE
*上記以外のサイトにも置かれている場合がありますので負荷の分散に御協力
  下さい。
*FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE を使用するためには、98 用ファイル群のほか、
  IBM-AT 互換機 PC 用の FreeBSD 3.4-RELEASE の配布物が必要になります。

4.2. 雑誌
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近頃では、コンピュータ、パソコンの雑誌にも添付されるようになってきました。
添付されている雑誌をお探しください。

5. インストール
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FreeBSD(98) 3.4R-RELEASE のインストールは 98 用ファイル群の中の
        Instal98.txt
を参照して下さい。IBM-AT 互換機 PC 用のインストールガイドとは一部異なって
います。